『夜のピクニック』(恩田陸)
恩田陸の『夜のピクニック』を読んだ。最近直木賞を受賞した作者が、本屋大賞や吉川英治文学新人賞を受賞した作品。
高校でのハイライト的なイベントの夜間を通じての歩行を舞台に、異母兄弟の心情を描く作品。
お話は、異母兄弟の西脇融と甲田貴子の視点で交互に語られる。いろんな出来事を描きつつ、ゴールへ向かう主人公二人の心情描写が秀逸で、ただ夜通し歩くだけの行事を素敵なものへと昇華させている印象。二人の友人たちのキャラクター設定もなかなかよくて、お話にいいスパイスを利かせている。
とにかく読み応えある作品で、ページを繰る手を止められずに一気に読了。いやー、これは面白かった。未読の方にはぜひおすすめしたい。
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