『夫婦茶碗』(町田康)
町田康の『夫婦茶碗』を読んだ。芥川賞作家が屈折した男を描く。
表題作「夫婦茶碗」と「人間の屑」を収録。
どちらの作品も主人公がまさに「人間の屑」で、その程度も半端じゃない。特に「夫婦茶碗」の亭主は倒錯しまくりで自分の世界を構築する様は見事である。そのくせ将来の食いぶちを気にする小心な面も持ち合わせるという矛盾ぶり。ひたすら堕ちていく男を描く。
それに比べ「人間の屑」はテンポよく描かれる。バンドがあたったり、商売がうまくいったり、子供ができたりと、悪いことばかりではないのだが、そのたび見事な屑っぷりを発揮。やはり堕ちていくのだ。
どちらもある意味重いお話で、読んでいて気分爽快とはいかない。主人公の生き方には虫唾が走る。しいて言えば浮き沈みがある分「人間の屑」の方が好みか。
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