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2012年1月11日 (水)

『忌中』(車谷長吉)

車谷長吉の『忌中』を読んだ。死が漂う6篇の作品を収めた短編集。

収録されているのは、「古墳」、「神の花嫁」、「「鹽壺の匙」補遺」、「三笠山」、「飾磨」、「忌中」。

いずれも自殺だとか心中だとか強姦殺人だとか、忌わしい死が描かれている(「神の花嫁」だけはちと毛色が違うのだが)。重苦しい雰囲気漂う作品たちだが、それでも物語に引き込んでいくのは作者の巧さ。背景を丁寧に描いた「三笠山」、自殺(心中)するにもかかわらず暗くならない(むしろ明るい雰囲気)の表題作「忌中」は秀逸。

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