『5』(佐藤正午)
佐藤正午の『5』を読んだ。恋愛小説という評価もあるようだが、わたしはファンタジー系だと思う。最近の佐藤正午にはこの傾向が強いような印象がある。
5 (角川文庫) 著者:佐藤 正午 |
7年もセックスレスな倦怠期の夫婦がある日突然愛を取り戻す。そこには意外なできごとが・・・。
いやー、さすがとしか言いようがない。お話自体はファンタジー系のたいしたことないものだが、それをここまで読ませる作品に仕上げる腕前はすごい。巧みな語りと展開には脱帽だ。内容に触れると未読の方に申し訳ないので触れないが、グイグイと引き込むストーリーテリングにまんまとはまってしまった。
わたしの浅い読書歴のなかでは、ここまでテクニックで読ませる作家もそうはいない。次回作も期待大である。タイトルの意味は読めばわかる。
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