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2010年9月 2日 (木)

『百万遍 青の時代』(花村萬月)

花村萬月の『百万遍 青の時代』を読んだ。

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素行不良から教護院での生活を続ける主人公。高校を退学させられ教護院をでて、友人のところ、同級生の女の子のところ、就職先の寮、知り合いの部屋など転々とする。仕事は続かず、やくざとつかず離れずの関係を続け、女性にはよくもてる主人公を描いていく。

萬月らしい雰囲気の漂う作品ではある。主人公の内面を描きつついろんな出来事を描写するのだが、内面の描き方が中途半端な印象で喰い足りない気分だ。なのでせっかくの意外な展開も楽しめない。私小説的な匂いがプンプンしてあんまり好きなタイプの小説ではない。それでも萬月なので続編を読むんだろうなぁ。

タイトルからして京都が舞台なのかと思ったら意外にも東京が舞台。物語の最後になってようやく京都へはなしがつながる。続編を読んでから評価したいところ。

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