『犯人に告ぐ』(雫井脩介)
雫井脩介の『犯人に告ぐ』を読んだ。突飛な捜査で犯人をあぶり出していく警察小説だがなかなか秀逸なミステリーでもある。
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犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫) 著者:雫井 脩介 |
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犯人に告ぐ 下 (双葉文庫) 著者:雫井 脩介 |
川崎市で起こった男児連続殺害事件の捜査は暗礁にのりあげていた。犯人がニューズ番組に犯行声明を送って以来手がかりをつかめずにいた神奈川県警は、定期的にニュース番組に捜査官を出して、TVをつかって一般視聴者と犯人に訴えかけるという手法を選択。その大役に選ばれたのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗し記者会見でも失態をさらして左遷されていた巻島。はたしてこの類をみない捜査は成功するのか?
上下巻あわせて600ページを超える長編だが面白くて一気に読んでしまった。この作者のキャラクター設定はホントに巧い。汚れ役を引き受けて、周囲がなんと言おうとも愚直に犯人逮捕にむかって突き進む主人公がイイ。犯人逮捕のためなら上司さえも陥れる姿勢に脱帽だ。最後の展開がめまぐるしく、とってもハラハラでラストは感動を与えてくれる。
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