『町長選挙』(奥田英朗)
奥田英朗の『町長選挙』を読んだ。『イン・ザ・プール』、『空中ブランコ』に続く伊良部医師シリーズの第3弾。
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町長選挙 (文春文庫) 著者:奥田 英朗 |
収録されているのは、大新聞社の会長でプロ野球の球団オーナー(どこかにいたよな)が死への恐怖からパニック障害になってしまうお話を描いた「オーナー」、若年性アルツハイマーに襲われた超多忙なIT社長(これもどこかにいたような)を描く「アンポンマン」、アンチエイジングにとりつかれた人気中年女優を描く「カリスマ稼業」、過疎の離島での行われる町長選挙で対立する候補の間で自律神経失調症になってしまった役場職員を描く表題作「町長選挙」。
前2作と同様、患者と伊良部が診察・治療する様子を軽妙なタッチでコミカルに描いていく。「オーナー」と「アンポンマン」は明らかに実在の人物がモデルで笑えるのだが・・・。「町長選挙」は新しい展開を模索している印象。軽く読む分にはそれなりに面白いのだが、さすがに3作目でマンネリ化の印象はぬぐえない。続編が出ても読むかどうかは微妙だな。
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