『イニシエーション・ラブ』(乾くるみ)
乾くるみの『イニシエーション・ラブ』を読んだ。何年か前に面白いという評判をきいて、文庫化されるのを首を長くして待っていた作品。
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イニシエーション・ラブ 著者:乾 くるみ |
side-Aとside-Bの2部構成で各章のタイトルはヒット曲のタイトルと同じもの。CDの裏ジャケを連想させる目次はなかなかおしゃれだ。普通に読めば恋愛青春小説って感じなのだが・・・。
テンポのいい展開にサクサク読めちゃう。主人公は意中の人から誘われて「うらやましいなぁ」と思いながら読んでた。なんとなく違和感は感じてたんだけど、最終頁に入ると「???」で、理解するまでに少し時間がかかったよ。それなりに楽しく読めた。いい意味で印象に残る作品ではある。
以下ネタバレになる危険性があるので、未読で勘のいい方は読まないで下さい(未読でも勘の悪い方はどうぞそのままお読み下さい)。
多くの人がそうであるようにわたしもしっかり騙された。裏表紙に「必ず二回読みたくなる」って書いてあるのだが、そりゃ読みたくなるよ。作者がどこに伏線を張っていて、どこにヒントを入れていて、どうミスリードしたのかを確認したくなる作品。『男女七人夏物語』が最大のヒントだった訳ね。時系列に沿って読み直したんだけど、「女って怖いねぇ」ってのが感想だ。
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