『ぼっけえ、きょうてえ』(岩井志麻子)
岩井志麻子の『ぼっけえ、きょうてえ』を読んだ。“ぼっけえ、きょうてえ”とは岡山地方の方言で「とても、怖い」の意味らしい。表題作のほか「密告箱」、「あまぞわい」、「依って件の如し」が収められている。
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ぼっけえ、きょうてえ 著者:岩井 志麻子 |
表題作の「ぼっけえ、きょうてえ」は、あまり怖くなくちょっと拍子抜け。文章で読むよりも視覚的な効果が高いのではないだろうか。映画化されてたはずなので、DVDが出たら観てみよう。怖さという意味ではむしろ「密告箱」の方が怖いかも・・・。「あまぞわい」は悲しい物語。「依って件の如し」はミステリー仕立てで一番面白かった。
日本ホラー小説大賞受賞ということだが、怖さはいまひとつ。どの作品にも 悲惨さ⇒怖さ の図式があるようで、なんだか哀しい気分になる。ただ作者の文章はしっかりしているので、それなりに楽しめる作品。
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