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2007年3月20日 (火)

『ぼっけえ、きょうてえ』(岩井志麻子)

岩井志麻子の『ぼっけえ、きょうてえ』を読んだ。“ぼっけえ、きょうてえ”とは岡山地方の方言で「とても、怖い」の意味らしい。表題作のほか「密告箱」、「あまぞわい」、「依って件の如し」が収められている。

ぼっけえ、きょうてえ Book ぼっけえ、きょうてえ

著者:岩井 志麻子
販売元:角川書店
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どの作品も岡山の貧農・貧漁の村を舞台にした陰惨で悲しい物語。タイトルほど怖くはない。

表題作の「ぼっけえ、きょうてえ」は、あまり怖くなくちょっと拍子抜け。文章で読むよりも視覚的な効果が高いのではないだろうか。映画化されてたはずなので、DVDが出たら観てみよう。怖さという意味ではむしろ「密告箱」の方が怖いかも・・・。「あまぞわい」は悲しい物語。「依って件の如し」はミステリー仕立てで一番面白かった。

日本ホラー小説大賞受賞ということだが、怖さはいまひとつ。どの作品にも 悲惨さ⇒怖さ の図式があるようで、なんだか哀しい気分になる。ただ作者の文章はしっかりしているので、それなりに楽しめる作品。

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