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2006年11月28日 (火)

『重力ピエロ』(伊坂幸太郎)

伊坂幸太郎の『重力ピエロ』を読んだ。この人の小説を読むのは3冊目だが3冊とも450頁強のボリューム。そこまで計算して書いているのか?

重力ピエロ Book 重力ピエロ

著者:伊坂 幸太郎
販売元:新潮社
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ある特徴のある落書きが見つかるとその近くで放火が起きる。その事実に気付いた主人公とその弟が犯人を捕まえるべく張り込みをするのだが・・・。

放火事件の謎解きを中心に物語がすすんでいくが、放火事件の犯人は簡単に想像できるし、売春斡旋業者の葛城氏がどういう人物かというのもある程度想像できる。そういう意味ではミステリー・サスペンスとしてのインパクトは弱く、むしろ遺伝子を超えた家族の絆が描かれている作品。

この作者の文章は、会話分を中心にとてもウィットに富んだもので楽しく読むことができる。また物語には直接関係はないが、この作者の『オーデュポンの祈り』『ラッシュライフ』の登場人物が出てくるので、この2作を既に読んでいるわたしはつい笑ってしまった。こういうサービスはけっこう好きだ。この楽しみのためにもこの作者の小説は書かれた順番に読むのがいいのかも・・・。

『ラッシュライフ』の時にも書いたけど、この人ホントに巧いなぁ。何度も直木賞の候補になるだけのことはある。しばらく伊坂幸太郎を追っかけてみたい。

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» ラッシュライフ |伊坂 幸太郎 [ミステリー倶楽部]
複数の主人公たちが、同じ舞台で別々の行動を取っていながら、それが複雑に絡み合っていく群像劇。 この手のものは映画なら「マグノリア」とか、小説なら恩田陸の「ドミノ」とか、前例は結構ある。 本作の<だまし絵>的な構造は、ミステリで使われる叙述トリックの基本的なパターンのひとつでもあり、これ自体には驚かなかったし、予想もできた。 ... [続きを読む]

受信: 2007年2月 8日 (木) 16時29分

» 重力ピエロ |伊坂 幸太郎 [ミステリー倶楽部]
半分しか血のつながりがない「私」と、弟の「春」。春は、私の母親がレイプされたときに身ごもった子である。ある日、出生前診断などの遺伝子技術を扱う私の勤め先が、何者かに放火される。町のあちこちに描かれた落書き消しを専門に請け負っている春は、現場近くに、スプレーによるグラフィティーアートが残されていることに気づく。連続放火事件と謎の落書き、レイプという憎むべき犯罪を肯定しなければ、自分が存在しない、とい... [続きを読む]

受信: 2007年2月24日 (土) 08時47分

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