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2006年11月24日 (金)

『赤目四十八瀧心中未遂』(車谷長吉)

車谷長吉の『赤目四十八瀧心中未遂』を読んだ。文庫版の裏に書かれた作品紹介で知ったんだけど直木賞受賞作らしい。

赤目四十八瀧心中未遂 Book 赤目四十八瀧心中未遂

著者:車谷 長吉
販売元:文藝春秋
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物語の展開自体はたいしたことないのだが、独特の文章表現とその世界観に引き込まれてしまう。

舞台は昭和50年代の尼崎。「言うとくけどな、あの子、朝鮮やで。」など会話文はすべて関西の下町らしいストレートな表現で、関西弁のニュアンスのわからない人には読みにくいかも。会話以外にも独特な表現が多く、例えば「食べた」ではなく「喰うた」、「思った」ではなく「思うた」、「帰り際」ではなく「去にしな」などの表記が印象的。こういった文章表現がひとむかし前の雰囲気を醸し出しているし、なにか現実の世界とは思えない別世界へ私をいざなう。

ときおり物語の進行には関係のないエピソードが挿入されるが、そういったエピソードから主人公の厭世感をもちつつもどこかで誰かと関係をつないでいたいという複雑な孤独感が伝わってくる。

賛否の分かれる作品だと思う。物語にもうひとひねりほしいというのが私の正直な感想だ。

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