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2006年5月19日 (金)

村上ファンドと阪神

GW以降、村上ファンドが世間を騒がせていたようだが、本当に阪神の経営権をとるのだろうか?

私は村上氏が嫌いではない。なるほど正論だと思わせるところもあり、マーケットに話題を提供する面白い男じゃないか(かなり怪しい奴だけど)。甘い経営者に刺激を与えるという意味でも、それなりの存在理由はあると考える。

割安な株価でキャッシュリッチな会社の株式を買い集め、

「オラオラー資産遊ばせてんなら配当増やさんかい!せやなかったらのっとるゾー!」

と甘い経営者のケツを叩き、増配発表で株価が上がったところを売り抜けるというのが彼の得意技だった。

彼のことをグリーンメーラーだと非難する向きもあるが、それも間違いではない。彼は単に自分が運営するファンドが儲かって、出資者にしっかりと分配できればそれでいいのだ。ただそれだけなのだ。

とにかく短期間で利益を上げるのがファンドの使命だとすると、経営権をとって時間をかけるのはつらいはず。もちろん3年~5年かけて高収益の会社に生まれ変わらせてから高値で売却という方法もあろうが、村上ファンドの性格上、また過去の動き、阪神の株価から考えてもありえそうにない。もし村上氏が経営権をとれば株価が下がることも考えられる。ましてや今回のように大量の株式を売却する先なんてそうそう現れないであろう。なにしろ17日発表の今期業績予想から算出したPERは約50倍、急成長する新興企業なみのプレミアムがついている状態だ。そう考えると今回がexitの最後のチャンスではないのだろうか。さらに経営で失敗などすれば、株価は下がるしファンドの信用・実績も落しかねない。村上氏がそこまでのリスクをとれるのかもはなはだ疑問だ。

村上氏側による取締役候補の株主提案がブラフであることは周知のとおりなので、阪急と村上氏との価格交渉が折り合わない場合は、阪神および阪急の経営者は腹をくくって

「ほな村上さん、阪神の経営は任せますわ。」

と言ってみてほしいところだ。逆に村上氏のほうが慌てて、値下げしてくるはずである。

もし村上氏が

「ほなやらしてもらいますわ。」

と言ったら?

それはそれで面白いではないか。どんな経営手腕を見せてくれるか楽しみだ(だいたい経営できるのか?)。正直阪神がどうなろうと私には関係ない。タイガースをホリエモンに売るなんていう大技を見せてくれればもっと楽しめると思うのだが・・・。

ただ村上氏にしても、あまりにやりすぎるとホリエモンみたいに検察につつかれる恐れあり(与謝野さんの発言がなんか意味深だな)。充分注意してマーケットを盛り上げてほしいところだ。

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